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GHS分類結果

ID616 メタノール(CAS番号 67-56-1) 分類実施日 H18.3.23 (環境に対する有害性についてはH18.2.10)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性
危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義による液体
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義による液体
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義による液体
6 引火性液体 区分2
危険 引火性の高い液体および蒸気 引火点<23℃, 沸点>35℃
UNRTDG クラス3 PGIIに分類されている。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義による液体
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 発火点が385℃である (溶剤ポケットブック (1994) p391-401)。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義による液体
11 自己発熱性物質および混合物 区分外 - - - UNRTDG クラス3に分類されている。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 分子内に金属または半金属原子を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 分子内の酸素原子が、炭素または水素以外の原子と化学結合していない。 またフッ素および塩素原子を含んでいない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義による液体
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - 分子内に−O−O−構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - UNRTDG クラス3に分類されている。


健康に対する有害性
危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 飲み込むと有害のおそれ ラット経口LD50値=6200mg/kg(EHC 196 (1997)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.16 (2001)、PATTY (4th, 1994))、9100mg/kg(EHC 196 (1997)、PATTY (4th, 1994))、12900mg/kg(EHC 196 (1997)、DFGOT vol.16 (2001)、PATTY (4th, 1994))および13000mg/kg(EHC 196 (1997)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (4th, 1994))に基づき計算値は7939mg/kgとなり、動物実験の結果からは区分外と判断された。一方、メタノールの毒性はげっ歯類に比べて霊長類には強く現れるとの記述があり(EHC 196 (1997))、ヒトで約半数に死亡が認められる用量が1400mg/kgであるとの記述(DFGOT vol.16 (2001))があることから、区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ウサギ経皮LD50値=15800mg/kg(DFGOT vol.16 (2001)、PATTY (4th, 1994))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による液体
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分外 - - - ラット吸入LC50(8時間)値=>22500ppm(DFGOT vol.16 (2001)、蒸気圧から蒸気と判断)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - DFGOT vol.16 (2001)に、ウサギを用いた試験で24時間暴露後に脱脂作用により中等度の刺激性がみられたとの記述がある一方で、ウサギに20時間閉塞適用した別の試験では刺激性がみられなかったとの記述があり、4時間以内の暴露による試験データが得られなかったため分類できなかった。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B
警告 強い眼刺激 EHC 196 (1997)、DFGOT vol.16 (2001)およびPATTY (4th, 1994)に、ウサギを用いた試験で軽度ないし中等度の眼刺激性が認められたとの記述があるが、回復性については明らかな記述がないこと、およびヒトで角膜の障害、強度の結膜浮腫が一過性に認められていること(DFGOT vol.16 (2001))から、区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない          皮膚感作性:分類できない - (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器:データなし。
皮膚:ヒトの皮膚暴露例でアレルギー性接触皮膚炎の報告があるとの複数の文献を引用した記述(PATTY (4th, 1994))はあるが、具体的な症例に関する記述はない。一方、モルモットを用いたMagnusson-Kligman maximization testで感作性は認められなかったとの記述(EHC 196 (1997)およびDFGOT vol.16 (2001))がある。これらの情報から皮膚感作性の有無を判断するにはデータ不足のため、分類できなかった。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - マウス赤血球を用いる小核試験で陰性の結果(EHC 196 (1997)、DFGOT vol.16 (2001)、PATTY (4th, 1994))があることから、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - 技術上の指針に示された機関において評価されていないため分類できない。なお、ラットおよびマウスを用いた吸入暴露による試験では、発がん性は認められていない。
7 生殖毒性 区分1B
危険 生殖能または胎児への悪影響のおそれ EHC 196 (1997)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.16 (2001)およびPATTY (4th, 1994)に、妊娠ラットおよびマウスを用いた経口および吸入暴露試験で胎児奇形または胎児死亡の増加が認められたとの記述があるが、信頼性のあるヒト暴露例のデータがないことから、区分1Bとした。EHC 196 (1997)、DFGOT vol.16 (2001)およびPATTY (4th, 1994)に雄ラットでテストステロン濃度の低下または精巣変性がみられたとの記述があるが、これとは逆に、雄の生殖器系への影響は認められないとの記述もあり、雄の生殖能力に対する影響は明らかではない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、視覚器、全身毒性)
区分3(気道刺激性、麻酔作用)

危険 臓器(中枢神経系、視覚器、全身毒性)の障害
呼吸器への刺激のおそれ、眠気またはめまいのおそれ
ヒトで急性経口または吸入暴露により中枢神経系の抑制および視覚器障害がみられるとの記述(EHC 196 (1997)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.16 (2001)、PATTY (4th, 1994)および産衛学会勧告(1993))や、ヒト暴露例で代謝性アシドーシスがみられるとの記述(ACGIH (7th, 2001)およびDFGOT vol.16 (2001))から、標的臓器は中枢神経系、視覚器および全身毒性と判断し、いずれも区分1とした。また、ラット反復吸入暴露試験で気道刺激性がみられたとの記述(EHC 196 (1997)およびPATTY (4th, 1994))、およびヒトで粘膜刺激症状がみられるとの記述(産衛学会勧告)、また、ラット、マウス、アカゲザル等で麻酔作用が認められたこと(EHC 196 (1997)およびPATTY (4th, 1994))から、気道刺激性および麻酔作用があると判断し、いずれも区分3とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、視覚器)
危険 長期または反復暴露による臓器(中枢神経系、視覚器)の障害 ヒトの長期暴露例で中枢神経系の抑制および視覚器障害がみられたとの記述(EHC 196 (1997)、ACGIH (7th, 2001)およびDFGOT vol.16 (2001))から、標的臓器は中枢神経系および視覚器であり、いずれも区分1とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データ不足のため分類できない。


環境に対する有害性
危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - 甲殻類(ブラインシュリンプ)の24時間LC50=900.73mg/L(EHC196、1998)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分外 - - - 難水溶性でなく(水溶解度=1.00×106mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。



分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))

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